「静的疲労」とは、長時間同じ姿勢や動作を続けることで、筋肉や関節に負担がかかり、疲れや痛みが生じる状態のことです。デスクワークや家事などで起こりやすく、放っておくと肩こりや腰痛などの原因になります。
静的疲労を回復するには、以下の方法がおすすめです。
【運動やストレッチをする】
軽い運動やストレッチをすることで、筋肉を伸び縮みさせて血流を改善し、疲労物質の排出を促します。これは「積極的休養(アクティブレスト)」とも言われる疲労回復方法です。
おすすめの運動やストレッチの方法は以下の通りです。
運動は、軽い有酸素運動がおすすめです。ウォーキングやジョギングなどで、心拍数を上げて汗をかく程度にしましょう。運動時間は15分から30分が目安です。
ストレッチは、主に使われる大腿直筋(前もも)とハムストリングス(裏もも)に対して行いましょう。
【湯船に浸かる】
ぬるめのお湯に入ると、血液循環が良くなり、疲労回復につながります。また、副交感神経が優位になり、体の緊張がほぐれます。お湯の温度は40度前後が適温です。
【バランスの取れた食生活】
消化の悪い食べ物は避けて、野菜中心の食生活を心がけましょう。また、疲労に効果的な栄養素を意識的に摂取すると良いでしょう。例えば、ビタミンB1・B2は脂質や糖質の代謝を助ける、カルシウムは筋肉をスムーズに動かす、鉄分は酸素を各細胞に送るなどの働きがあります。
疲労回復に効果的な食べ物は以下の通りです。
ビタミンB1・B2:豚肉、枝豆、さば、納豆など
カルシウム:乳製品、小松菜、大豆製品など
鉄分:レバー、牛肉、あさりなど(ヘム鉄) 小松菜、ほうれん草、枝豆、納豆など(非ヘム鉄)
鉄分を多く含む食べ物は、動物性食品に多いヘム鉄と、植物性食品に多い非ヘム鉄の2種類があります。ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収率が高いので、効率よく鉄分を摂るには動物性食品を選ぶとよいでしょう。非ヘム鉄は吸収率が低いので、ビタミンCを一緒に摂ることで吸収を助けることができます。ビタミンCはパプリカやブロッコリー、キウイなどに多く含まれています。
【質の良い睡眠を取る】
睡眠中には細胞が修復され、体の疲れが癒やされます。睡眠の質を上げるためには、寝る2~3時間前までに食事を済ませて消化器官に負担をかけないようにしましょう。また、寝る1時間前からスマホやPCなどのブルーライトを見ないようにしましょう。